ピンブラブログ~pinkblood blog~

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味(心は現役)のバンギャルブログ。

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【2011】amber gris『pomander』【名盤】 

このコーナーは2011年リリースの音源をひたすら絶賛するコーナーです。


pomander [DVD+CD限定盤]



たおやかに、穏やかに、物語を紡いでいく詩人たち。

amber grisから届けられた初のフルアルバム『pomander』は、一種のアロマテラピーだ。
花や木など、植物に由来する芳香成分をそのまま抽出したような。
音の一粒一粒から、とても素敵な香りがする。
凝り固まった心身を解すように耳を傾けていたら、自然と一周していた。
最後の曲と最初の曲の流れがスムーズでまるで違和感がない。
この心地良い感覚は一体何故だろうと、ずっと考えていた。

シングル2作の時点ではまだまだガチャガチャと世界観が定まっていない感じだったけど、前作『チャイルド・フォレスト』から急に風格が出た。
そして満を持してリリースされた香り玉、『pomander』。
冒頭から、静かに、叙情的に幕を開ける、まるで寓話のような世界観。
飛び抜けたキラーチューンはなく、全体的にミドルテンポの楽曲が多いのだが、歌の力にグイグイと惹き込まれ、飽きるどころか、つい何度も再生してしまう。
物語の中心部を担う「feel me」(PVにもなっている)が一つの祈りのように響き、眼前がパッと開けるような疾走感を帯びた「ファラウェイ、ファラウェイ。」、その雄大さに圧倒される「浴室の人魚」、不穏な空気から徐々に安らぎを取り戻していく「element of soul」。
ゆらゆらと身を委ねたくなるロッキンチェアー。
そんな包容力、優しさを感じる。

そしてバンドというよりもアンサンブルという言葉がしっくりくる。
ヴィジュアル系に多くいるメタル・ラウド勢とは大きく距離を置き、流行りのデジタルサウンドを取り入れたポップロックとは一線を画しながらも、小難しさは微塵もない。
非常にキャッチーで口ずさみやすく、じっくりと聴かせることを重視した美しい旋律。
繊細で、伸びやかで、よりいっそう表情豊かになった手鞠の歌声。
役割が明朗になったツインギターに、土台を固めつつも軽やかなグルーヴを刻むリズム隊。
全てのピースがピタッとハマった。

amber grisは、数あるヴィジュアル系バンドの中でも、いわゆる“白系”寄りの音楽性を持っている。
しかし真っ白ではなく、ミルキーホワイトの上にクリームイエローを重ねたような淡い発色。
柔らかなリネン。
どこか純朴さを残す風合い。
北ヨーロッパを彷彿させる、牧歌的なイメージ。
それなのに聴き終えたあとに残るのは、温かさだけではなく、物憂げな寂寥感。

そうだ、このアルバムからは「世界名作劇場」の香りがするのだ。
一見ほのぼのとしながら、歴史的背景が黒い影を落とす。
力のあるものから虐げられつつも、健気に生きてきた登場人物たちの持つ芯の強さ…いじらしさっていうのかな。
彼らの音やステージから、ロックバンドならではの「毒」や危険な香りが全く感じられないのはきっとこのため。

清廉潔白。

この雰囲気は確かに昔のV系でもイマドキのネオV系でもちょっと出せないと思う。
聴いていて、ここまで「不良~ワル~」(笑)の匂いがしないヴィジュアル系は久々だな~と。
例えるなら、初期・L'Arc~en~Cielや初期・La'cryma Christi、Eins:Vier、Guniw Toolsなどに通じる異国的・文学的な雰囲気を持ち合わせている。
amber grisは下手にヘヴィーな楽曲を加えるよりも、このまま「良さそう」な雰囲気で突っ走って欲しい。

個人的にこのアルバムはV系初心者の入り口にもなりそうな作品だなと思った。
バンギャル誰しもが最初からV系にどっぷり浸っているわけではない。
“V系ワルそう・怖そう・ヤンキー”という固定観念を崩したのが私にとってのアインスだったように、ラルクがV系入門になった人も多いだろうし。
このジャンルの魅力や醍醐味を知り尽くしている彼らが、ヴィジュアル系の世界へ誘う案内人のようなバンドになってくれたら、と思う。
先人から受け継がれてきた血のようなもの。
メインストリームから反れながらも、自分たちの道をしっかりと見据え歩いて行く、力強い反骨精神を感じるから。

どうか、この音を求めてやまない、まだ知らぬあなたの元へ届きますように。

◆amber gris official web site
http://www.amber-gris.com/

◆amber gris official web site
http://www.myspace.com/ambergrisjapan

◆amber gris インタビュー(10. Magazine)
http://10tenmag.com/2010/10/15/amber-gris-visual-kei-band/?lang=ja

◆amber gris 「pomander」 SPOT

太鼓判

amber_gris

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