ピンブラブログ~pinkblood blog~

音楽と猫をこよなく愛する若干隠居気味(心は現役)のバンギャルブログ。

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【シリーズ】deadman『no alternative』【deadmanを振り返る】 

no alternative 2.0(remix)


【収録曲】
1.intro
2.盲目の羽根と星を手に
3.苦悩の中の耐え難い存在
4.受刑者の日記
5.銀のパラソル
6.ドリスからの手紙
7.rem.
8.imp
9.lunch box
10.in media
11.circus
12.through the looking glass
13.quo vadis
14.蟻塚


2003年3月リリース作品。

「死にゆく人=死刑囚」。
deadmanによる初のフルアルバムは、バンドのコンセプトを最も表現した代表作。

彼らを語る上で外せない音源ですが、暫く廃盤状態になっていたため、2009年にギターや歌などを一部録り直したリミックス盤(2.0)をリリース。
今回は旧盤(以下、旧)とリミックス盤(以下、2.0)を簡単に比較しながらご紹介します。

まず、『in the direction of sunrise and night light』から遡って聴くと、その若さに驚く。
救いのないダークな世界観を構築しているのに、音自体は勢いがあって上昇気流を感じる。
これは多分、二十代のこの時期じゃないと作れないアルバムだろう。
aieが「変に根拠のない自信があって、絶対に売れる!と思った」って言っていたのが頷ける。
メンバー4人による奇跡的なバランス。
この高揚感が光だとしたら、the god and death starsの音は確かに闇だ。

さて、ドラム音のみの「intro」は、『in the〜』と同様、Nirvanaの『IN UTERO』の2曲目と同じことをやっています。
旧に比べ2.0は音数が半分になっており、一層『IN UTERO』っぽくなったかな(笑)。
アルバム名では“no”とオルタナを否定しつつも、聴いてみたら「オルタナじゃん!」という突っ込みを待っていたらしい。
そんな遊び心のあるSE。

「盲目の羽根と星を手に」は、決して癒されることのないdeadmanの世界観を象徴する切ない曲。
星は身体の痛み、自分の過ちだけ傷がある。
身体の痛みでしか、気持ちの安らぐことがない人の歌。
2.0では、アルペジオがとてもクリアになった。

オルタナ色の強い「苦悩の中の堪え難い存在」はファルセットがよく響くように、「受刑者の日記」は狂気じみた笑い声が大きく強調されています。
シャッフルのリズムが心地良い「銀のパラソル」、目まぐるしく表情を変える歌声が印象的な「ドリスからの手紙」、レム睡眠・分裂病・不眠症と絡めて世界への批判を描いた「rem.」。
どの曲も悲壮感に溢れ、変幻自在の眞呼のヴォーカルがより深みを増し、豊かになった。

前半のメロウさから一転し、後半はアグレッシブな曲が続く。
「imp」〜「lunch box」の猟奇的な雰囲気は、眞呼がローディーを務めた先輩バンド・merry go roundの『REDDISH COLLECTORS NO DEAD ARTIST』に似ている(しかしdeadmanのほうがキャッチー)。
Bメロのシャウト部分では現lynch.の玲央も参加。
ちなみに、リミックス盤の作成にあたって「lunch box」のギターのデータだけがまるっと消えていたため、改めて弾き直したそう。
旧・2.0いずれも、間奏では椎名林檎の「歌舞伎町の女王」のメロディーラインをちゃっかり弾いているのだが、これが許されてしまうaieはズルい(笑)。
2001年8月リリースのシングルver.では、「歌舞伎町の女王」の代わりに眞呼のセリフが入っています。

B00005GLAK歌舞伎町の女王
椎名林檎
EMIミュージック・ジャパン 1998-09-09

by G-Tools

「lunch box」とともにシングルとしてリリースされていた「in media」。
ジャジーなベースラインが洒落ているこの曲は、オムニバスCD『妖幻鏡』にも別のリミックスver.が収録されています。
名古屋系バンドの同期・BlastとのカップリングCDに収録されていた「circus」は、2.0でかなり立体感が増した。
ここから一気にクライマックスへと雪崩れ込む。

「through the looking glass」は、2.0で元々のタイトル「alice」に変更(そもそも「through the looking glass」とは「鏡の国のアリス」のことで、当時はGULLETの「アリス」という曲が存在したため、被らないようにタイトルを変えていた)。
「タラッタッタ♪」と敬礼しながら行進するコミカルな曲。

そして、直下型の暴れ曲「quo vadis」。
激しいイントロは未だにヘドバン欲を掻き立てられます。
「quo vadis」とはラテン語で「主よ、どこに行かれるのですか」という意味があるそう(使徒がキリストの昇天前に語り掛けた言葉)。

ラストを飾るのは、モンスターと呼ぶに相応しい「蟻塚」。
奈落の底へ落とされるような、凍える暗さ。
鳴り響く鐘の音、墓石、死体。
一筋の光すら感じない、deadmanの真骨頂。

こうして聴き返すと、後の音源に比べ「ヴィジュアル系らしい」分かりやすいテンションの曲が多い。
やっぱり何度聴いても大好きで、未だに新鮮な発見がある。
10年経っても語ることが尽きない、稀有な名盤だと思います。

zoisite shopで通販すると、特典としてフルカラーブックレット"deadman_4.doc ver2"が付いてきます(2.0リリース時のaie最新インタビューと2003年当時のメンバーによる全曲解説)。


20121021143908-320.jpg
▲私が所持している旧盤。FC限定盤は黒ジャケット仕様。


太鼓判 太鼓判

deadman

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